第一試合は、Ｂ－１新世代の星ｖｓＳＳＳ生え抜きという構図です。
業界を巻き込んだ闘いの中心に身をおく中居選手。
Ｂ－１トーナメントリザーブマッチから彗星のごとく登場したわけですが、
ＷＡＲの大事件を期に大きく運命が変わってきました。
日高戦後、僕のところへ来てＳＳＳへの参戦を直訴、ＳＳＳOneDayトーナメントへの出場と勝ち取った優勝。
劇的に成長を続け、Ｂ－１トーナメント時とは別人と言ってもいいと思います。
これは日高選手がＳＳＳに参戦し始めた頃と似ていて、なにか因縁めいたものを感じます。
要望の多かった中居ｖｓ日高リベンジマッチは、トーナメントの結果は
別としていつか実現しようと思っています。これは僕もみたいです。
ＷＡＲ事件があまりにインパクトがある為、中居選手は負けのイメージがありますが、
実は日高戦以外は負け無しの戦績。ＳＳＳＧＰにかける意気込みは特別なものがあると思います。
一方、黒川選手は、これがガチプロ初登場となります。
オランダの血を引くハーフの彼女は、抜群のスタイルに端整な顔立ち、
異国独特の雰囲気とキャラクターが今までの選手と比べ明らかに異質です。
ガチプロ以外の試合では連勝街道を走る彼女。Metabom監督からの強い推薦と
ファンの皆様からの熱い要望が今回のエントリーのきっかけになりました。
未だ残る国内の海外選手幻想。正直に言って個人的には海外キャットに対し肉薄、
部分的に限定すれば世界でも最高水準の闘いができていると思っていますが、
お客様から寄せられる声で、やはり海外選手はＤＮＡ的に迫力からルックスから
説得力が全然違うので、そういう選手をどんどん使って欲しいというのはずっとあります。
ＳＳＳ生え抜き選手枠ですが、そういった部分も含めて試合を見て頂ければと思います。
試合内容については、実力をつけてきた中居選手に対し、ガチプロ初対戦にも関わらず
激しい動きに対応する黒川選手という流れになっています。
それにしても、黒川選手の闘いながらみせる妖艶な美しさには目を見張るものがあり、
Metabom監督が強く推した理由がわかりました。本当に“絵になる選手”です。
身長の差もあり、中居選手が圧倒される可能性が十分ありましたが、そこは経験と才能で互角の闘いをしかけていきます。
見所はいつも涼しい顔をしている黒川選手に“スイッチ”が入り完全にヒートアップしている場面。
過去の試合でも絶対に見せなかった“本気”の顔はレアだと思います。
その後お互いの感情が爆発していく中で闘いが終局へ向かっていき、
雌雄がハッキリと別れ敗者は無様にマットに横たわり涙します。
高いレベルで展開される闘いの果てに、プライドが折られた者が横たわるのは基本としてあるものです。
ただ、この試合に関してはキャットの本来の姿“美しい人が闘う”という部分の重要性を示しました。
「強い者がスターになる」のではなく、「強く美しい者がスターになる」。
原点に立ち返るのと同時に、海外ＤＮＡへの試金石とも考えています。
第二試合は、ＳＳＳ生え抜きアイドルレスラーｖｓ現役アイドル＆女子プロレスラーというサプライズ試合です。
まず、桜庭選手ですがＷＡＲにおいてＷＵＷエースの深田選手を打ち破りました。
これはファンの皆様には意外だと受け取る方も多かったと思います。
それほどまでに深田選手は強く、ＳＳＳＧＰ出場が確実視されていたわけです。
しかし実際は桜庭選手がＷＵＷの看板を蹂躙しＧＰへ出場。
ＷＡＲで一気に最前線に割って入った桜庭選手は敗戦ですらも底が見えず、不思議な魅力をもったアイドル性の高い選手です。
強豪軍団ＷＵＷの上を行く選手ですから、上位進出は当然。
どんな相手でも臆せず向かっていくだろうと考えました。ですからこのサプライズを用意したのです。
特別枠には“現役”女子プロレスラーの看板を背負う大物、安藤あいか選手がエントリー。
アイドル、タレント活動をしてＴＶでもお馴染みのスターレスラー。
当然“本物”の看板を背負いＳＳＳＧＰの舞台に上がるわけですから、生半可なハートではこなせません。
インタビューで余裕の彼女の表情に、これからくる闘いの序章を感じました。
試合内容については、二人の今の立ち位置を思いながら試合を見て頂けることを願います。
異色の者同士がぶつかり合う姿は、いつの時代も興味をそそられるもの。
禁断の対決は見る側のテンションをあげること間違いないのです。
今回、安藤選手をエントリーさせることについて、賛否両論あると思います。
それぞれのファンが、それぞれの意見でこのサプライズを受け止めていることも理解しているつもりです。
常々僕は試合においてテーマがあるべきだと思っていて、
これまでもＳＳＳＧＰシリーズで行われてきた試合には意味を持たせてきました。
そういった中で様々な角度で試合を見て、選手達の関係性も含め、より良い進化を目指してきました。
ある一面ではガチプロレスをより高みへと押し上げる努力があり、
気づけばＳＳＳ独自のストロングスタイルを形成するに至りました。
では現役の選手とのマッチアップでは、このストロングスタイルはどう反応するのか？
ファンの皆様の賛否両論の反響は、この反応の一部だと自分はとらえています。
巻き込むのがプロレス、ブチあげるのがプロレス。
過去安藤選手は、キャットファイト的な試合をした経験がありますし、
僕もその映像を見たことがありますが、確実にその中身と今回の闘いは別物だと思ってください。
ＳＳＳ流ストロングスタイルが個性の部分で現役プロレスラーに潰されるか、
それともＳＳＳ流ストロングスタイルが現役プロレスラーを取り込むか。
これは実験であり、挑戦です。
僕らのこれまでの闘いに色眼鏡をかけて揶揄する方々も多くいると思います。その面に関しては否定しません。
ただ、ＳＳＳで激突したファイター達が流した涙や痛み、感情の高ぶりは嘘偽りなく本気です。
二つの趣の違う試合がＢブロックで実現できました。
電撃参戦が良い方向へ転がってくれることを祈っています。
2011 4/28 C.Ronald
