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2012年4月27日(金)にリリースされる「THE TREBLE ザ・トレブル 三冠王者決定戦」についての解説をしたいと思います。
SSSのシリーズを長く知る皆様には待ちに待った試合と言えると思います。

ここまでくるのに当方もない時間と苦労があり、加えて応援してくださる皆様の忍耐強い支えがあってこそ実現した奇跡のような試合です。
そして、リングに上がってくれた二人と数々の名勝負を紡いでくれた選手達に本当に感謝致します。

昔、SSS無差別級王者決定戦Vol.01の日高・川島戦を自分は最高の試合だと評価し、
もうこの様な試合は二度と生まれないだろうと言いました。
しかし、このTHE TREBLEはその発言を覆せる作品となったのではないでしょうか。
いや、この作品前にも幾つか同じレベルの作品はありましたが、日高・川島戦のような鋭い形ではない、別の様式美として存在していました。
そういった作品群の中で、研磨されてきた一つの集大成がこのTHE TREBLEだと思います。
試合の形式は二本先取の三本勝負です。
展開は一進一退ですが、分かりやすく交互に攻めあう様なぬるいものではありません。
どちらかの攻撃がツボに入れば、一瞬の隙を突いて形成を返したり、逃げれるまでトコトン攻めて追い込みます。
お互いにそういう攻めあいが続いて、疲弊した後に何が起こるのか?といった展開です。
正直、過去二人がここまで意識を保っている間に追い込まれた事は無いと思います。
それだけに精神的に深く入り込み、闘いの本質を浮き上がらせるのだと僕は思います。
リングに上がった二人ですが、まず中居選手はデビューした時の能力とは比較にならない成長を遂げました。
僕が思うに、マスクド・ド・ラゴン戦あたりの技をとにかく繋ごうとするファイトスタイルと
SSSGP決勝の技を受けきった後に、爆発させるファイトスタイルのもう一つ先のスタイルに行き着いたのではないかと思います。
FGの経験が一つのヒントになったのかもしれません、究極に進化した中居ちはるというものを、魅せてくれると思います。
そして後藤選手ですが、フィジカル的には過去最高にキレてます。
パワー、スタミナ、テニクックと3拍子備えていて、強烈な技を連発してもテンポは落ちることがないという恐るべき能力です。
技や感情が空回りしていたデビュー時と違い、舞野戦で闘いの抑揚とコントロールを覚え、
FG新山戦でフィジカル限界の闘いを経験したことが、今につながっていると思います。

上でも書きましたが、両者の追い込みは本当に凄まじく、通常の試合であればとっくにK.O.或いは
ギブアップしていなければおかしい所まで攻め立てています。
試合の長さ、質は非常に高く、見てる方が確実に引き込まれる領域まで迫っています。
中身が濃く、そして精神的にも肉体的にも非常に“深い”試合だと思います。
技の攻防などは言うまでも無く最高です。特に投げは素晴らしく、もう芸術の域に来ていると僕は感じています。
プロスタイルが好きな方は絶対に見てください。後悔は無いと思います。
これほど真に迫った作品は、ちょっと他ではお目にかかれないと思います。
たぶん、世界でも最高クラスなんじゃないかと思います。


この試合が、日高・川島戦以来のSSSにとって非常に大きなポイントになっていると思います。
二度とあの領域には踏み込めないだろうな、と本気で考えていましたので、この作品に導いてくれた皆様には感謝しきれません。

本当に素晴らしい試合です。

もし、普段キャットのDVDを見ない方がいらしたら、是非見て欲しいです。
イメージが劇的に変わると思います。


これまで応援してくれていた方々にこの作品を届けられて、少しは恩返しできたのかもしれません。


2012年 4月 吉日 C.Ronald